7月3日は、ヤナーチェクのお誕生日でした。
ヤナーチェクは、ご存知の方も多いかと思いますが、ショップ名の由来となった「利口な女狐の物語」の作者(作曲家)です。
そこで今日は、以前から書きたいと思っていたこの歌劇について少しお話しします。
「利口な女狐の物語」に登場する狐、それがビストロウシカです。
利口という言葉から、どんな狐を想像されるでしょうか。
現代では「お利口さん」などというのは、あまり良い意味では使われないように感じていますがどうでしょうか。
利口な狐・・・人間をうまく騙して舌を出しているような、そんな狐でしょうか。
この物語に出てくるビストロウシカというきつねは、小賢しい生き物とは少し違うようです。
誤植から生まれた名前?
そもそもビストロウシカと言う名前は誤植から生まれたとか。
歌劇の元となった新聞連載の物語で、速足、すばしっこいと言う意味を込めた名前がつけられたそうですが、誤植により「鋭い耳・耳の良い者」といった意味の名前になってしまったそうです。ほんの二文字ほどのスペルミスです。
それがそのままオペラ化されたわけです。
ヤナーチェクは、オペラの題名を「女狐ビストロウシカの冒険」としましたが、ドイツ、アメリカ訳で、ビストロウシカと言う名前が固有名詞ではなく意味に反映されて、、、「利口な女狐」と訳されました。
日本でもそのまま「利口な女狐の物語」となりました。
意味が違うかな?と思った事もありましたが、
題名としては「ん?どんな話かな?」と思わせるインパクトもあり、良いかもしれません。
しつこい!!かな
しつこく書いてますが、
「利口」と言う意味が必ずしも良い意味で使われないことが多くなってきたので、誤解されたくないと言う思いが強いからです。
何か、身内のことをかばうような、そんな気持ちに似ているようです。
「ビストロウシカは利口なんですね」
と言われたこともあって、「いや、そうではなくて・・・」と、それでも説明しきれず、はがゆい気持ちがしていました。
歌劇の中のビストロウシカは、闊達で、雄狐との恋に落ちるキュートな女の子そのものだったり、またある場面では大胆不敵で、少し無茶なところのある魅力あふれる存在なのです。
ひとことで言えば、精いっぱい生きている、生命そのもの、なのです。
とは言え。
人間に対する仕返しにひどい態度をとって、してやったりという場面もありますし、片思いの女性の幻覚を見せる・・・という狐らしい(?!)怪しい場面もあります。
・・・とすると、「利口な女狐」というのは、もしかしたら、まったく「その通り!」かもしれません。あれ~? この記事の意味がよくわからなくなってしまいますね☆彡
でも、この記事で、少しでも「ビストロウシカ」を身近に感じていただけたら嬉しいです。
「お利口さん」でつまらない狐ではないんですよ。。。
*この記事は、日本ヤナーチェク友の会編の「利口な女狐の物語 対訳と解説」を参考に書かせていただきました。ありがとうございます。